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立石おじさん お話の世界22ソバと麦

昔な、弘法大師というえらいお坊さんがな、全国を行脚しておられたんじゃな。もう、雪が降ふろうかという寒い日に、大きな川に雪が降ったんじゃ。この川を渡って向こう岸に渡りたいけど、渡し舟もない。川の中を渡るのは、体の調子も悪いし、大変だ。誰か渡してくれるもんはないかな。と思って、傍をみたら麦がおったもんだから、「麦さん、麦さん、すまんけど私をなあ、背負うて向こう岸まで渡してもらえんじゃろうか」言ったら、「いいや、なにを坊さんいいんさりゃあ。この冷たい川の中をなんであんたをわしが背負うてらにゃあいけんので、おことわり、おことわり」言うてことわったんじゃ。弘法大師は困ってしもうて「誰かおらんかな」とふっと見たらソバがおったもんじゃから「ソバさんソバさん、たいへん申し訳ないけど向こう岸まで渡してもらえんじゃろうか」言ったら、ソバが「ああ、お坊さんかな、そりゃあ、私が背負うて渡してあげましょう。どうそ、私におぶさってください」言って背中におぶさって、冷たい川の中を向こう岸まで渡ったんじゃな。弘法大師は、喜んでな。「おまえは、わしをよう、渡してくれた。ありがたかった、ありがたかった。お礼にな、おまえは、寒い時に外におらんでもええようにしてやろう」そういっておっしゃったんじゃな。それで、ソバは、夏の終わりに種を蒔いて、秋の中ごろに収穫する75日でちゃんと収穫できるようになったんじゃな。冬の間は、種で、寒い目をせんでようなった。そのかわり、冷たい水で足が真っ赤になっとったもんじゃから、今でもソバの根元は、赤いんじゃって。麦はな、弘法大師を渡してあげなんだから、その罰で、寒い秋の終わりに種を蒔いて、冬の間外に、ずーっとおって、夏のはじめに収穫するようになったんじゃ。じゃからな、お坊さんには、親切にせんといけんのじゃって、昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/03/21(木)
  • 担当者:中塚美佐子
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