高齢化が進み認知症による徘徊者対策が課題となる中倉敷市真備町の川辺地区では、住民による行方不明者の捜索訓練が、行われました。
認知症患者の徘徊を想定した捜索訓練は、去年の3月から川辺小学校区で高齢者の相互支援活動に取り組んでいる「かわべ小地域支援の会」が初めて行いました。訓練は、同じ町内の60代男性が、朝、家を出たまま帰ってこないという想定で、行方不明者役の家族から捜索依頼の電話を受けるところから始まりました。訓練参加者は、行方不明者役の家族から当日の服装や特徴、健康状態などを聞いたあと、5つの班に分かれて捜索にあたりました。5つの班は、家族から提供された写真をもとに作成した捜索チラシを基に公共施設や大型店舗などを回ったり車で移動しながら立ち回りそうな場所を捜索しました。訓練開始から約1時間吉備真備駅前の休憩所にいた行方不明者を発見し、無事保護しました。訓練終了後は、反省点や課題などを検証したほか、高齢者福祉の専門家などからアドバイスを受けました。地域の連帯感をより一層、高めるためにもかわべ小地域支援の会では、万が一の事態に備えた捜索訓練を年2回程度行う予定です。なお、認知症患者が行方不明になった場合の捜索訓練は、倉敷市では初めての試みでした。こうした住民による連携づくりが、福祉の専門家の指摘するまず行方不明者を出さない地域住民同士の連帯意識を高める地域づくりに繋がるのではないでしょうか。




