総社市の巨刹で、画聖雪舟ゆかりの禅寺として知られる宝福寺。その宝福寺に残されているもう一つの伝説をご存知でしょうか。
室町時代の画聖雪舟が、少年時代に修行した臨済宗のお寺、宝福寺。絵ばかり描いていた雪舟に禅師が、修行に身を入れさせようと柱に縛りつけ反省を促したところ、雪舟の足元に逃げようとする一匹のネズミを見つけました。よく見るとそれは、雪舟が流した涙を足の親指で描いたものだったという伝説は特に有名です。本尊の虚空蔵菩薩を安置する仏殿。現在の仏殿は、享保20年(1735)に建てられたものです。特に円窓は、禅宗様式の重厚な雰囲気を醸し出しています。そして、この仏殿の天井には、直径6メートルの大きな龍の絵が描かれています。龍の絵は、250年ほど前に望月派の画僧号山(ごうざん)が先代禅師の遺言によって描いた秀作です。今にも動き出しそうな迫力に満ちた見事な龍は、当時の村人たちを魅了したことでしょう。その雄大さを物語るかのようにこの龍が夜な夜な出てきて仏殿わきの白蓮池の水を飲んで村人を恐れさせ、これ以上、龍が出てこないようにと龍の目に釘を打ち込んで天井に封じ込めたという伝説が残っています。宝福寺にほど近い総社中央小学校では、この伝説を後世に残そうと昭和59年に制作した郷土かるたの中に盛り込んでいます。「龍の絵が白蓮池の水を飲む」このように宝福寺の水のみ龍の伝説を伝えています。「雪舟の涙で描いたネズミ」「仏殿の水のみ龍」いずれも、有名な画僧を輩出した宝福寺ならではの伝説です。




