続いてはエリア内の12月恒例の風景を切り取りお伝えする、「師走の風景」。2回目のきょうは倉敷市児島田の口にある蔵元、「十八盛酒造」の新酒の仕込みの様子をご紹介します。
ここは倉敷市児島田の口にある「十八盛酒造」です。12月はちょうど新酒の仕込みの時期のため、朝早くから代表の石合敬三さんなどが作業に当たります。この日行ったのは新酒の出来上がりの味を左右する「麹づくり」です。まずは「蒸し」という、洗い終えた米を蒸す作業からはじめます。およそ100度の蒸気で蒸し上がった米は次々に運び出され、床に広げて冷まします。ある程度冷ましたら次は「麹室」という部屋へ移動し「床揉み」。ここでは米に麹菌の種をふりかけ、手で混ぜながら馴染ませていきます。この行程の中で欠かせないのが温度チェックです。麹菌の発育に適した温度、31℃になるように冷ましているからです。これより高ければまた手で揉み解して更に冷ましていく作業をひたすら繰り返します。31℃になると布で包んでこの日の作業は終了です。このまま3日ほど待つと少しずつ麹菌が米に付着していくのが分かります。これが麹となります。ここで作られた麹は酒の元となる醪に入れて毎日かき混ぜながら発酵させていきます。この行程を終えると次はいよいよ醪から酒の原液となる「原酒」を搾り出していきます。十八盛酒造の新酒は新年に向けてすでに販売が始まっています。




