倉敷ゆかりの芸術家の功績を称える郷土作家遺作展がきょうから倉敷市立美術館で始まりました。
オープニングセレモニーでは作家の遺族や関係者によってテープカットが行われました。今回の郷土作家遺作展では、大島清道さん、太田光則さん、重信翠山さんの木工芸作家3人の作品が展示されています。「指物」を得意とする大島さんは、60歳を目前にして子どもの頃からの夢だった作家としての道を歩み始めました。それまでの家具職人として培われた技術で材料を無駄なく、最大限に木の素材を活かした作品づくりに励んでいたそうです。太田さんは、「盆」を得意とし、木目を強調する作風が特徴です。一人寡黙に作り続けた作家で、長年にわたり自分のスタイルを貫き通しました。そして、「箱物」が得意な重信翠山さんは、組木や幾重にも層を貼り合わせた細かな作業で手間を惜しまない作品を生み出しています。3人とも、日本伝統工芸展や岡山県美術展で活躍してきた作家で木の持ち味を生かしたそれぞれの個性が作品に表現されています。また、会場には、3人の愛用の道具が展示されました。いずれも、自分の作りたいものへのこだわりを感じさせる工夫がみえ、訪れた人たちも興味深そうに見入っていました。初の木工芸作家による郷土作家遺作展は、20日(日)まで倉敷市立美術館で開催されています。




