倉敷市の総鎮守・阿智神社の春の大祭にあわせて「じじ」と「ばば」の面をかぶった素隠居が美観地区一帯に繰り出しました。
小袖にもんぺ姿。両手に持った渋団扇で道行く人の頭を叩いて回る素隠居。ユーモラスな表情の素隠居は、古くからの倉敷の風物詩です。
江戸時代に若者が「じじ」と「ばば」の面をかぶり、年老いた有力者に代わって、阿智神社の御神幸行列に参加したのがはじまりとされていて、300年以上も続く伝統行事です。この日は、倉敷素隠居保存会のメンバーのほか、倉敷東小学校の子どもたちも体験参加し、観光客などに近づいては、団扇で頭を叩いていました。素隠居の団扇で頭を叩かれると「健康になる」とか「頭が良くなる」などのご利益があるといわれています。なかには突然現れた素隠居に驚き思わず泣いてしまう子どもの姿も見られました。今年は倉敷素隠居保存会の発足20周年の節目の年にあたり、会では素隠居の伝統を今後も守り続けていきたいとしています。




