足先が二つに割れた足袋型健康シューズ。外反母趾の予防、進行を抑制する効果が期待されるなど、さまざまな分野で注目を集めています。実はここに倉敷のある靴製造メーカーの力があります。
岡本社長「(足は)第2の心臓」「靴というのは足をいかに守れるか。一貫して考えている」
倉敷市茶屋町にある靴製造メーカー「岡本製甲」。昭和25年に革靴製造販売店として始まりました。現在は、大手スポーツメーカーの野球シューズやゴルフシューズの委託生産を行っており、月に平均6000足を製造しています。
この会社では一時、ゴルフシューズを主力商品に13億円の売り上げがありました。ところが大手スポーツメーカーが人件費の安い海外へ製造を委託しはじめたことやバブル崩壊も重なって売り上げは大きく減少しました。そのような中、道を切り開いたのが、受け継がれてきた「技術力」でした。本社工場では一般向けの商品に混じり、メジャーリーグで活躍する日本人選手をはじめ、プロ野球選手およそ150人のスパイクシューズを手がけています。その技術力が国内外から評価されている証です。
その高い技術力と靴に対する思いから生まれたオリジナル商品が足袋型シューズです。野球などのスポーツのトレーニングで、地下足袋の効果が注目されている中、知人からの依頼で製作を始めました。
岡本社長「地下足袋だと弱いし、怪我も多い。何かいい靴がないかとお願いがあり、作った」
完成した靴は、岡山県内外の野球部や陸上部など、主に中高生のスポーツトレーニング用として使用されています。「バルタンX」というインパクトあるネイミングとその容姿で瞬く間に評判となり、2007年3月の製品化以来、ネット販売を中心に2年間で5000足が売れました。岡山県内の有力野球部でも、冬場のトレーニングなどを中心に部員全員が愛用しています。
作陽高校野球部 角田監督「最近の子は背が高くて重心が高くなっているので下半身の使い方が下手。バルタンXを使うようになって親指の使い方がわかってきた」
実は靴が製品化されるまでには、岡山大学との共同研究がありました。「バルタンX」販売後も、中高年の人からの要望を受けて改良を加え、ウォーキングシューズとして足袋型シューズ第2弾「ラフィート」を完成させました。その研究の成果が、歩行実験データからも伺えます。実験の結果、足袋型シューズ「ラフィート」は一般的なウォーキングシューズに比べて「歩行時の左右の足の間隔が狭く、安定性が高いこと」や「つま先でより強く蹴りだせること」など、素足に近いことが判明。足袋型シューズのよさを裏付けることができました。
岡山大学スポーツ教育センター 鈴木教授「安定性がいい分、楽に歩けてキックもしやすい。歩くのが楽しくなる」
社長「今は自信を持って研究している」
この春からは販路拡大を目指して、四国八十八箇所めぐりの関連商品を扱う業者と取引を始めたほか、現在は子どもむけの商品開発を行っています。そこには、委託生産=OEMから脱却した新たな可能性への道が広がっています。
岡本社長「生の声を聞けた。生活に密着する靴」「モチベーションが変わってくる」




