倉敷美観地区周辺を記した古い地図などをもとに、当時の街の形とその移り変わりを復元する試みが、住民有志らの手で始まっています。
「倉敷遺産地図情報化プロジェクト」と題したこの取り組みは、旧成羽町(なりわちょう)出身で建築デザインを専門とする安田女子大学家政学部生活デザイン学科助手の成清(なりきよ)仁士(ひとし)さんと、ＮＰＯ法人・倉敷町家トラストが進めているもので、今年度から本格的に活動しています。
「元倉敷(もとくらしき)」とも呼ばれる現在の美観地区周辺を、江戸時代以降の古い地図や都市計画図、それに航空写真を重ね合わせて、時代ごとビジュアルで分かりやすく復元し、その歴史的変遷と文化遺産的価値を次世代へ継承することを目的としています。
この日は、一般市民を対象に、これまでに作成した復元地図が公開され、市内外から集まった２０人余りが倉敷の街の形成過程などを学びました。
続いて、地図をもとに歩いてまわり、古くからある道や水路の跡などを確認しながら街の変遷を理解しました。この地図情報化プロジェクトは、福武教育文化振興財団の助成を受けて、平成２４年度までの３年間行われます。
今後は地元住民の証言や古い写真なども集めて、さらに詳細な地図情報を作成し、広く一般に共有できる形と様々な分野で活用することを目指します。
