特集です。新しい中学校学習指導要領が告示され、中学生全員に武道を履修させることになりました。全面実施は24年度からですが、準備は様々な形で進んでいます。福島記者のリポートです。
黙想から始まる授業。武道教育ならではの風景です。倉敷市の味野中学校では、この日、2年生最後の柔道授業が行われました。保健体育の三宅義之教諭は、今年、受け身から始まり、寝技、立ち技の授業15時間を行いました。
平成24年春スタートする中学校体育での武道必修化。中学生全員が卒業までに、柔道や剣道などの武道を通じて、日本固有の伝統と文化にふれることになっています。
(インタ)倉敷市立味野中学校 三宅義之 教諭
指導の留意点
倉敷市内の多くの中学校では、現在、男子の選択科目で武道教育が行われています。
(インタ)武道教育を受けた生徒たちは・・・
倉敷の中学校では、26校中24校で柔道を必修とする予定です。必修化を控えて、準備が始まっています。
(インタ)倉敷市教育委員会 保健体育課主幹 岡田直利さん
「県主体の研修で学ぶようにしている」
岡山武道館で行われた柔道と剣道の研修には、県内の保健体育教師12人が参加しました。
(インタ)参加した保健体育教師は・・・
「これまでダンスを女の教師が、武道を男の教師だったが、女の子にも武道教えなくてはいけなくなるので参加した」
「専門外だが、本格的に武道教育はじまるので・・・」
研修では、2年後の必修化にむけた準備状況など、情報交換が行われました。
一方で、授業中のケガなどへの対応など課題もあがりました。
(インタ)指導にあたった 倉敷古城池高校 三宅 裕 教諭
「現場でケガがないように安全に出来ること重要。」
研修には、柔道をするのが教員免許取得課程以来の人も多く含まれていて、礼法や受け身など基礎を学びました。
福田中学校柔道同好会が汗を流します。普段の練習は、メンバー3人です。
(インタ)練習で不都合は?
倉敷市内の中学校4校では、武道指導者の不足を補うため、県の武道外部指導者派遣事業で経験者を招いています。福田中学校では、今年度から水島武道館の指導者でもある猿楽さんが、毎週木曜日の週1回、指導に訪れます。
(インタ)福田中学校 外部指導者 猿楽 実さん
「出来る範囲で力になってあげたい。武道の面白さを感じとって欲しい。」
水島武道館で小中学生を指導する猿楽さんですが、特に、成長盛りの中学生を教えることには、難しさがあると言います。
(インタ)福田中学校 外部指導者 猿楽 実さん
「中学の1~3年生は、駆け足のように成長していく」
必修時代の武道授業は、限られた時間で、何をどう教えるか?安全面を確保しながら武道の魅力の伝達する、武道教育の必修化には、課題と期待が見えています。
(インタ)倉敷市教育委員会 保健体育課主幹 岡田直利さん
(インタ)倉敷市立味野中学校 三宅義之 教諭
中学校体育での武道教育の必修化は、平成24年春からです。
ハード面の課題もあります。道着や防具など生徒の経済的負担、さらに、武道場の確保です。倉敷市内の中学校では、ほとんどに武道場が整備されていますが、船穂と真備地区の中学校には、武道場がありません。来年度から順次整備が進む予定です。




