19世紀後半にイギリスで興った、手仕事の良さを再評価する美術工芸運動をテーマにした企画展が倉敷市立美術館で開かれています。
この展示会は、産業革命による工業化で大量生産された商品があふれる時代の中、近代デザインの父と呼ばれるイギリスのウィリアム・モリスが呼びかけた手工芸の再生・復興運動である「アーツ&クラフツ運動」をテーマにしています。会場には、モリスをはじめアーツ&クラフツ運動の主要作家による家具や壁紙のデザインなど158点が展示されています。作品は、材質や機能性を重視したシンプルなデザインのものばかりで、イギリスだけではなく、アメリカで作られたものもあり、この運動が世界的に支持され拡大していったことを示しています。ラダーバックチェアと呼ばれるこちらの作品は、スコットランドの建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュのものです。はしごを思わせる背もたれのデザインで、マッキントッシュのデザインを代表する家具のひとつに挙げられています。
一方、こちらの椅子はアメリカでアーツ&クラフツ運動を広めた建築家フランク・ロイド・ライトが手がけたもので、日本の帝国ホテルで実際に使われていたものです。このアーツ&クラフツ運動は、日本にも広がり、柳 宗悦の興した民芸運動にも大きな影響を与えました。会場には倉敷民藝館が所有する大皿や椅子などのイギリスの作品も展示されており、民芸運動の拠点の一つとなった倉敷との繋がりも見ることができます。
時代に左右されない手作りの温かみが感じられる「アーツ&クラフツ展」は5月10日(日)まで、倉敷市立美術館で開かれています。




