倉敷市真備町では、決壊した堤防の強化工事に伴って一部の住民が立ち退きを強いられることになります。
この工事は、小田川の支流で岡山県が管理する高馬川・眞谷川・末政川で行われます。県は、それぞれ、小田川との合流地点から上流に向かっておよそ1キロのかさ上げと幅を広げることで堤防を強化するとしています。立ち退きの対象は、堤防沿いの住民およそ120世帯です。このうち最も多いのが100世帯が対象となる末政川です。決壊場所の近くで生活する浅野安夫さんは、災害発生後すぐに知り合いの大工に依頼して寝室をいち早くリフォームして自宅に戻ってきました。残る部屋のリフォーム作業に取り掛かろうとした去年9月、浅野さんのもとに立ち退きを求める手紙が届きました。
【インタビュー】・真備町有井 浅野安夫さん
堤防の強化工事に伴って浅野さんの自宅は、半分以上の敷地が県に買い取られます。浅野さんは、立ち退きの対象になっていない裏の畑に家を建てようと考えていますが、車が通れる道や水道がないため、交渉に時間がかかっています。浅野さんを動かすのは、「なんとしてもここに帰りたい」という想いでした。
【インタビュー】・真備町有井浅野安夫さん
再び豪雨が来ても防げる安心安全なまちづくりには、立ち退き対象となった被災者の葛藤がありました。県は、2023年までに、強化工事を完了する予定で、売却された土地から工事を進めていくとしています。




