将棋界最高峰の対決、佐藤天彦名人に豊島将之二冠(王位・棋聖)が挑戦する第77期名人戦七番勝負の第3局が倉敷市芸文館藤花荘で始まりました。
将棋の7大タイトル戦のうち最も古い歴史をもつ名人戦の対局が大山康晴十五世名人の出身地倉敷市で行われるのは、2年ぶり5回目。倉敷市芸文館での開催は、25年ぶり2回目です。
7日午前9時から、藤花荘ではじまった第3局は、先手の佐藤名人が2六歩、後手の豊島二冠が8四歩と応じ、お互い飛車先の歩を突いて戦いの火蓋が切られました。第3局は、先に2連勝している挑戦者豊島二冠が3連勝して一気に名人位へ王手をかけるのか、佐藤名人が初勝利をして名人戦4連覇への巻き返しをはかるのか重要な一局です。午後2時からは、芸文館ホールで村田顕弘六段による大盤解説が行われ将棋ファンおよそ100人が対局の行方を見守りました。
名人戦は持ち時間9時間の2日制で、1日目は封じ手で終了し、あす8日再開、午前10時から終局まで芸文館ホールで大盤解説が行われます。
なお、第3局に先立って6日の午後6時から大原美術館本館2階で前夜祭が開かれました。伊東 香織倉敷市長は、「ピカソやマチスといった名画の中に、対局者二人を迎える令和初の名人戦の対局が大山康晴名人のふるさと倉敷で
行われることをうれしく思います」と歓迎の言葉を述べました。
また、倉敷国際ホテルに会場を移し大山名人記念館の将棋教室で学ぶ中学3年生の二人から花束が贈られたほか真備町の竹の家具メーカーの商品がプレゼントされました。
これを受け、挑戦者豊島将之二冠と佐藤天彦名人は、順に「みなさんの力になれるような良い将棋を指したい」「楽しんでいただける対局にしたい」と第3局に臨む決意を述べました。
さらに、両対局者から豪雨災害復興を願って将棋盤が倉敷市へ寄贈されました。




