倉敷市の洋画家岡本悍久(かんきゅう)さんのこれまでの足跡をたどる回顧展「岡本 悍久の世界展」が27日から倉敷市立美術館で始まりました。
地元倉敷で初めて開かれた回顧展には、岡本悍久さんの37年におよぶ画業を支えてきた関係者約30人が集い開幕を祝いました。岡本悍久さんは、独学で絵の世界に入り、新聞記者や美術館館長という二足のわらじをはきながら画家としての道を歩んできました。回顧展では、初期の具象作品をはじめ、ピカソに代表されるキュビズム・立体的抽象の影響を受けた白と黒のモノトーンや、色彩を取り入れた作品、平面を立体に表現した彫刻など岡本さん自身の心の変容を描いてきた110点を年代順に展示しています。また、最新作の実演が行われ、特殊溶剤で手作りされたキャンバスに描く消滅アート」が公開されました。「消滅アート」とは、時間の経過とともに描いた画像が消える絵画でない絵画です。キャンバスに浮かび上がった画像は、数時間で消滅してしまいます。会場では、岡本さんよるャラリートークも行われ、時代の流れの中で客観的に見つめて、独自に表現してきた作品への思いをわかりやすく解説していました。画家岡本さんの過去、現在、未来を紹介した岡本悍久の世界展は、5月2日まで倉敷市立美術館で開かれます。




