倉敷市の大原美術館で、偽物ではないかと疑われているゴッホの作品をテーマにしたギャラリートークが開かれました。
大原美術館が所蔵しているゴッホの作品「アルピーユの道」が、久しぶりに公の場に姿を現しました。この作品は1889年、フランス南部の療養所に入っていたゴッホが、そこから見えたアルピーユ山脈の風景を描いたものです。1935年、大原孫三郎が、オランダの鑑定士からお墨付きを得て購入し、大原美術館では1940年から展示していました。1984年、オランダのゴッホ研究者から「本物とするには非常に難しい」と指摘されたため、以来公開を控えています。ギャラリートークでは、大原美術館の孝岡睦子学芸員がこれまでの経緯を解説しました。もともとゴッホは、同じモチーフを少しずつ変えて描くため本物かどうか見分けにくく、贋作が多いとされているそうです。また去年、吉備国際大学と共同で、X線や赤外線を使った科学的な調査を行いましたが、偽物または本物と断定できる証拠は見つからなかったことも報告されました。このギャラリートークは、 シルバーウィーク期間中、開館時間を延長したのに合わせて、20日から3日間、いずれも夕方5時から開かれました。




