倉敷市真備町の薗地区まちづくり協議会が、今年、郷土の名所旧跡を後世に伝えようと選定した「薗の名所旧跡10選」から今もなお、信仰を集めている『首切り地蔵』をご紹介します。
倉敷市真備町の有井と市場にまたがる薗地区まちづくり推進協議会は、後世に伝えるべき地域の史跡10か所を選定し、今年3月史実や伝説などを記した説明看板を立てました。「薗の名所旧跡10選」の1番は真備町有井地区の聖地というべき大日庵です。本尊の「大日如来」は、伽羅の木で作られた木像仏で日本に2体しかないうちのひとつとされています。「薗の名所旧跡10選」の2番は、末政川にかかる「瞽女橋」です。むかし、盲目の女芸人瞽女が橋を渡っていたところグラグラして危険だったので頑丈な橋に架け替えたら瞽女たちが三味線をひいて感謝したという逸話から「瞽女橋」と名付けられたそうです。「薗の名所旧跡10選」の5番『首切り地蔵』は、倉敷市真備町有井、まきびの里保育園の入り口南側にひっそりと建つお堂の中に祀られています。毎月23日を「縁日」として午後1時から地蔵会を開いています。この日、一番のりしたのは、大正8年生まれの今田千恵子さん95歳。23日の縁日には欠かさずお参りをしているひとりです。今田さんとのひと月ぶりの再会を喜ぶのは白神美加代さん89歳です。二人とも亡くなったご主人が、地蔵会の先達を務めていたこともあり首切り地蔵への信仰が厚く、毎月の縁日を楽しみにしています。ところで、どうして地元の人は、首切り地蔵と呼ぶのでしょうか江戸時代、岡田藩当時の処刑場があったあたりから、首無し地蔵が発掘され小さなお堂に祀って供養したことに由来するようです。現在のお堂は、平成8年11月18日に住民有志により建立されたもので以来、20年以上に渡って毎月23日の縁日には十数人が集まり祈念しています。平成の時代にあって今もなお、多くの人々の心に寄り添う首切り地蔵は、倉敷市真備町有井に祀られています。




