倉敷市を拠点に活動する中国地方唯一のプロの人形劇団、とらまる人形劇団が倉敷市児島の保育園で人形劇を上演し、子どもたちは生の演劇を楽しみました。
とらまる人形劇団が今回訪れたのは、倉敷市児島上の町の上の町保育園です。保育園では園児たちの情操教育のひとつとして、以前から人形劇を見せてあげたいという思いがありました。今回、とらまる人形劇団から呼びかけがあり、保護者会も協力してくれることになったので、ついに上演の運びとなりました。2歳から年長まで66人と、すぐ近くにある上の町幼稚園の園児13人も加わり、人形劇の始まりです。
プログラムは「なんにも仙人」と「サムライぎつね」の2本立て。どちらも中国地方の民話をアレンジしたストーリーです。
サムライぎつねは鳥取城の久松公園に今でも祀られているお稲荷さん、キツネのゴンザエモンのお話。鳥取城のお殿様から江戸まで手紙を届けるという大役を仰せつかり、大好物の油揚げの誘惑にも負けず、無事に届けて返事の手紙を受け取るゴンザエモン。しかし、鳥取城まであと少しというところで、命を落とします。園児たちは食い入るように見つめ「かわいそう」の声が自然に漏れていました。
もう一つのお話は「なんにも仙人」。ぐうたらな親子の家族にある日突然やってきた壺には小さな仙人がおり、家族が怠ければ怠けるほど、どんどん大きくなっていきます。ついに働きはじめた親子は、働くことの喜びを感じ、仙人は小さくなってしまいます。仙人をきっかけに家族が再生していく物語です。園児たちは時には笑い、時には悲しそうな顔をして人形劇をたっぷり楽しんでいました。
地元倉敷でさらに活動を充実させたいとらまる人形劇団では、上の町保育園で上演した「なんにも仙人」と「サムライぎつね」を真備町で上演することになっています。




