倉敷市中島の中島神社で、江戸時代から伝わる夏の伝統行事「砂持ち神事」が、2日(土)に行われました。
中島神社の氏子地域中島自治会では、毎年、8月の第一土曜日の夜、「トンボ」と呼ばれる樽神輿に砂を入れて氏子町内を練り歩く「砂持ち神事」を行っています。「砂持ち神事」当日は、朝から、20年前に発足した中島大トンボ保存会が中心になってトンボと呼ばれる樽神輿を組み立てます。長さ8・5メートルの担ぎ棒に大きな樽を二つ取り付けしめ縄や提灯、傘を飾りつけて完成させます。「砂持ち神事」は、江戸時代に倉敷の中島地域が洪水の被害を受け、赤痢などの疫病がはやったため、高梁川のきれいな砂を持ち帰って氏神様の境内にまいたところ、疫病が治まったということから始まったとされています。今年の中島神社の「砂持ち神事」は、生憎の雨の影響で中止となりましたが、中島大トンボ保存会のメンバーが中島自治会館から中島神社まで大トンボを担いで行きました。大トンボは、前側を2人、後側を1人の3人で担ぎ、砂を入れた樽を上下に揺さぶりながら練り歩きます。その昔は、三日三晩かけて大トンボを氏子町内へ繰り出したそうです。今年は、わずか200メートルの運行でしたが、中島神社の境内に高梁川の砂を奉納し、境内に砂をまいて清め無病息災を祈りました。「砂持ち神事」は、西阿知の熊野神社や阿智神社、足高神社など倉敷市の高梁川下流域に
伝えられています。




