サッカーのアマチュア最高峰リーグ・JFLに所属する三菱水島FCが今シーズンでJFLを脱退することとなり、22日、ホーム最終戦を迎えました。
三菱水島FCが5年間ホームグラウンドにしてきた笠岡陸上競技場。JFLでの勇姿がこの競技場で見られるのもこの日で最後となりました。会場にはホーム最終戦を見ようと、あいにくの天候にも関わらず、多くのサポーターが訪れました。
三菱水島FCは、中国リーグで3連覇を達成した2004年のシーズンに、JFL昇格の懸かった全国地域リーグ決勝大会で初めて決勝ラウンドに進出。勢いそのままに決勝ラウンドを3戦全勝で優勝に輝き、JFL昇格を果たしました。
しかし、JリーグへのステップとなるJFLの舞台では、苦戦がつづきました。チーム練習は仕事を終えてからの限られた時間、メンバー全員が揃うこともなかなか難しい条件の中で、なんとかJFLに残留してきました。
今シーズンは、リーマンショックによる不況の影響で、会社も期間社員の雇用を打ち切るなど、開幕前からチーム存続が危ぶまれてきました。雇い止めとなったメンバーは、バイトなどで生計をたて、サッカーを続けてきました。
そのような中、今シーズンもJFLでは苦戦を強いられ、最下位に低迷してきましたが、天皇杯岡山県予選では、2年ぶりに優勝を果たすなど、JFLの意地を見せてきました。
「絶対に勝利で飾りたい」。選手、そしてサポーターが一丸となってホーム最終戦に挑みました。対する相手は、前節まで4位につけている強豪・ソニー仙台FC。三菱は立ち上がりから果敢にシュートを放ち、試合序盤は三菱のペースで進みます。そして前半24分、FW尾上からのパスをMF田平)が押し込み、三菱が先制します。
しかし、喜びも束の間、その2分後、ソニー仙台にすぐさまゴールを奪い返されます。このあと、試合はソニー仙台のペースで進み、前半34分、逆転ゴールを許してしまいます。その後も、三菱はピンチを招きますが、GK永富の好セーブなどでなんとかしのぎます。
後半に入ってから三菱は再び攻勢に出ます。後半3分には熊田が、さらに後半10分には川口が鋭いシュートを放ちますが、どうしてもゴールを割ることができません。三菱は最後までゴールへの執念を見せますが、結局、ソニー仙台に1点追加され、3-1で敗れ、ホーム最終戦を飾ることはできませんでした。
試合終了後のセレモニーでは、ホームグラウンドのある笠岡市を代表して、高木市長から5年間の熱い戦いに感謝の気持ちをこめて、選手一人ひとりに花束が贈られました。
三菱水島FCは来シーズンも部としては存続し、活動を続けます。セレモニー終了後には、サポーターが選手のもとに駆け寄り、JFLでの健闘を称えるとともに、今後の活躍に期待を寄せていました。
【お詫び】
VTRの文字スーパーに誤りがありました。申し訳ありません。
誤:山下俊也 ⇒ 正:山下聡也




