倉敷駅周辺の連続立体交差事業、いわゆる鉄道高架について、事業主体の岡山県は、高架区間の短縮や線路の配置変更などにより、少なくとも35億円の事業費削減が可能とする、検討結果をまとめました。膠着状態が続いていた倉敷駅周辺の鉄道高架事業ですが、ようやく一歩前進した形です。
倉敷駅周辺鉄道高架事業の工事費縮減に関する試算は、15日に開かれた岡山県議会土木委員会で示されました。県がJR西日本に委託し、山陽本線・伯備線の延べ5・4km区間を対象に、総額609億円の事業費縮減や工事方法の変更策を検討したところ、次のような結果が出ました。山陽本線は、倉敷駅より西側で、高架工事の終点を400m短縮し 1400mにし、さらに、寿町踏切から東側の線路を4本から3本に減らすと、25億円の工事費が縮減されるということです。また、伯備線は、高架区間を清音方面から100m短縮する案だと、10億円の縮減が見込まれます。そして、富久踏切まで750m区間を短縮した場合は、合わせて36億円の工事費が節約できるという試算です。このほか、縮減額の試算はしていませんが、工事中に敷く仮の線路に切り替える行程を変更した場合は、必要な仮線用地の面積が4700㎡少なくて済み事業費の縮減が期待されるということです。今回は、建築工事や用地補償費などは入っていないため、そのほかの検討を進めるにあたって、事業費が増加する可能性もあるということです。なお、議員からは、今後できるだけ早く施工方法の検討を進めるよう、意見が出されました。このコスト縮減策は、JR線を対象にしたもので、県は今年度、水島臨海鉄道にも委託して事業費縮減の方策を探るとともに、倉敷市のまちづくり計画の見直しも勘案しながら、多角的な検討を行う方針です。




