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立石おじさんお話の世界38話「往生祈願」

昔なあ、ある村にお寺があってな、そのお寺に、時々おばあさんがお参りに来るんじゃな。和尚さんと小僧さんは、「あのおばあさんは、なかなか信心深いなあ、よー参ってこられるなな」ゆーて話をしょうた。ある日、和尚さんが留守の時に、そのおばあさんがお参りに来た。小僧さんが聞くでもなしに聞いとると、そのおばあさんが、ご本尊さんの前に行って手をあわして「なむあみだぶつ、なみあみだぶつ、なむあみだぶつ、あーどうぞわたしゅー、一日も早よう、あの世にみちびーてください、なむあみだぶつ。家ではうちの嫁が、わたしの言う事をしとっつもきーてくれません。わたしが何回ゆーても逆におこられるんです。わたしをいらんもんにしょーと思うて、いっつもいじめるんです。その事を息子にゆーたら、娘は、嫁のかたばーもって、わしのゆーことは何にもゆーてくれん。孫は孫で、くそばばあー、ばばあー、はよーしねー、ゆーて、わたしゃーもーいきとる気持ちが、もーのーなりました。どうぞ一日も早よう、あの世にみちびーてください。なむあみだぶつ、なむあみだぶつ」ゆーておがんどる。「あーあのおばあさんは、一生懸命、お経を上げとると思うたら、あんなことをいよーたんか」と思うて小僧さんは、思うとったんじゃな。また2,3日で、そのおばあさんが、やって来た。また小僧が、聞とると、「どうぞ、一日も早よう、あの世にいかしてつかあさい。うちの嫁は、わたしをいじめるばーして、もう息子は、嫁のかたばーもってわたしのこたーだれも考えてくれんのです。孫は孫で7・・・・」またこのあいだと同じことを言う。「このおばあさんは、拝みに来るんじゃなしに、家のことをゆーて、早ようあの世に行きたいよーるから、よし、こんど、あのおばあさんをおどかしちゃろ」小僧は、そう思うたんじゃな。それから、また2,3日して、おばあさんが参ってきた。小僧は、さっと、本尊さまのうしろに隠れて、じーっとして待っとったら、おばあさんが、本尊様の前にやってきて、手をあわして「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ、なむあみだぶつ、どうぞ、一日でも早よう、あの世にみちびーてください。家におっても、わたしゃーおるところがないんです。嫁は、わたしを、もうバカにして、いじめますし、もうどーにもならないんです。なんかいいますと、すぐにしかってまいりますし、息子に言いましたら、息子は嫁のかたばーもって、わたしのことなんか一言もきーてくれません。孫は孫で、クソばばあー、早よう、しねーゆーていうもんですから、もーあたしゃーこの世に生きとれません。どうぞ、一日も早よう、あの世に・・」そう言ったときに、小僧は声を変えて「おばあさんの願いをかなえて届けてやろう、あしたの昼にお迎えにいくからな」ゆったらおばあさん、「いあやいあや、このご本尊さまは、冗談もいえません」言って、飛んで帰ったんじゃって、昔こっぷり。

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  • 放送日:2014/02/25(火)
  • 担当者:中塚美佐子
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