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立石おじさん お話の世界34「あいたいげんか」

昔な、アイが川上の方を泳いでおったけど、川がせもーてなかなかスイスイと力いっぱいとおよげん。「もちーとゆっくり、サッーと泳いでみたいもんじゃな」と思うて、アイは考えとった。ところが、川じゃ、すぐに岸があったり、石がったり、岩があったりして泳げんもんじゃから、「なんでも、川の下の方にいったら海というところにつながる。海というところで、何にもないから自由に泳ぐことができる。一回海に行ってみちゃろ」そう思いついたんじゃな。そうして、川をアイはスーイスーイと下っていったんじゃ。そうしたら、だんだん川の幅がひろーなって、早うに自由に泳ぐことができるようになったんじゃな。「やあ、だいぶひろーなった。もう海というところに出るんじゃろうな」と思って、アイは、シューと泳いで、川下へ向けて行ったんじゃな。一方、海のタイは、「自由に泳いでおるけど、この広い海の水というのは、なんでも川というところから流れてくるということを聞いとる。海の王様のタイがどっから水がきとるか知らんようじゃいけんから、一回、川というところへ行ってみよう」と思うて、タイは勢いよー泳いで川の方へ行ったんじゃな。上流からアイが勢いよーサッーと下ってくる。海の方からタイが、川の方にサッーと勢いよー泳いでいったところが、川口のところで、アイとタイがパンッと突きあたって、二人とも大きなコブを出したんじゃ。「おまえは、何者なら」「わしゃ、海の王様のタイじゃ。そういうおまえは、何者なら」「わしゃ、川のアイじゃ」「なんで、川のアイが海にこんといけんので」「なんで海のタイが川にこんといけんので」二人で喧嘩をしたんじゃな。「おまえがもっと前を見て泳がんから、突きあたったんじゃ」「おまえこそ、勢いよー泳いでくるから突きあたったんじゃ。」言うて喧嘩をしとったけど、なかなかおさまりがつかん。そこに、コチがやってきた。そうしたらタイが「コチさん、コチさん、このアイというのは、悪いやつで、勢いよー泳いできて、わしに、大きなコブを出さしたんじゃ。けしからんのじゃ」言うたら、アイの方も「何を言うかこの大きな石頭のタイがわしに突きあたってきて、大きなコブが出た。こいつをやっつけてくれ」言って頼んだところが、コチは、「あいたいげんかは、こちゃー知らん」言うてスーッと向うに泳いでいってしもうたんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/11/20(水)
  • 担当者:中塚美佐子
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