最新のゴルフクラブ。ボールの飛距離・方向性を高めるため、スポーツメーカーは、競って歪の小さなシャフトの開発にしのぎを削っています。こうした素材研究の分野に倉敷のある中小繊維企業の力があります。
「隙間を狙うというか ちょっと変わったもの、新しいアイデアを提案する。それで採用されていけば、繊維業界もまだ道は開ける、維持できる、拡大できるという風に考えている。」
倉敷市曽原にある特殊織物メーカー「明大」。
繊維企業がひしめく児島地区にあって、1963年創業と後発のメーカーですが、その技術と商品は、繊維業界をはじめ様々な業界から注目されています。他社が真似出来ないオンリーワンの技術で 石油危機など過去幾つもの困難を乗り越えてきました。
小河原敏嗣社長
「厳しい状況にはあるが、お客さんのニーズに応えるように一品料理ではないけれど、お客さんのニーズに応えるために皆の力を結集して今までの経験や知識、そのあたりを結集して提供するアイデアを提供することが必要」
そう話す社長自身も技術者の一人です。
「机上計算だけで出来る出来ないと判断するのではなく、出来ることなら話は受けてチャレンジしてトライして失敗してもそれは財産にもなるし、そういう形で研究しながら実行しながら続けていく必要がある」
創業時、この会社では、中古の織機を購入し、改造を加えることで特殊な織物を作り上げました。
現在、売り上げのおよそ8割を占める主力商品「ベルトスリング」もそうした技術と自由な発想から生まれました。これは、重量のある物を吊りあげる特殊なベルトですが、かつて特許によって、一部の会社の独占市場でした。
小河原敏嗣社長
「当時のトップシェアの会社は、縫製で特許をもっていたので、これを織物で解消する。これが可能になったので開発していった・・・」
さらに、こうした技術と経験が、ある特殊な織物を世界で初めて自動で織り上げることをも可能にしました。「四軸織物」(テトラス)です。通常の織物は、縦糸と横糸の二軸に繊維をおり込みますが、これに2本の斜めの糸を交差させることに成功したのです。他社が成し得なかった技術です。技術開発からおよそ20年、平成15年には、念願の量産機も完成しました。
実は、海の向こうアメリカでも、NASAのスペースシャトルの外壁用に研究されていました。いち早くその技術を開発した明大は、アメリカ企業の要請で平成10年、技術提携しました。
従来の織物と性能を比較した表です。織りあがった特殊織物「テトラス」は、通常の縦横二軸の織物と比べ、あらゆる方向に対して変形が少なく、形態が安定しています。
この素材にいち早く目をつけたのは、大手スポーツ用品メーカーです。ゴルフクラブのシャフトのほか、テニスや卓球のラケットなどに採用しています。ここ数年、様々な分野から問い合わせが増えています。
小河原敏嗣社長
「テントのやぶれないもの、福祉、自動車などいろんなところからも話を頂いているので 早く立ち上げて会社の事業の柱に育てたいと思っている。」
この小さな企業のチカラ「世界に誇れるテクノロジー」が、様々な産業シーン、夢ある分野で飛躍しようとしています。
小河原敏嗣社長
「JAXAとのものづくりも一部ある。(具体的には・・・教えていただけないですか?)今のところは駄目でしょうね・・・」




