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立石おじさん お話の世界28「手紙で配分」

昔な、キツネとタヌキとウサギが山の中でばったり出会おうた。「あー、寒いなー。今年は寒いなあ、食うもんが何もないな。腹ペコじゃ。」「いやーわしも腹ペコで、きょうは、何にも食うとらんじゃ。なんか一回、うまいのんが食うてみたいの」言うて話をしとったらな、山の下の道をな、伝馬人足が、タッタ、タッタ、タッタ、タッター走っていく。首から大きな荷物を引っ提げて、そうして走っていく。「ありゃ、伝馬人人足が来とるぞ。ありゃあ、どっかに手紙を届けとんじゃ。あの大きな荷物は、ありゃたぶん弁当じゃ。あいつを取って食うちゃらんか」「取って食ういうて、どうやって取れりゃあ」「いや、えーことがあるんじゃ。わしがうまいぐあいにとっちゃるからな」そう言うてウサギが言ったんじゃな。そうして、「わしがな、あの伝馬人足の前をヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタンと歩くとな、わしを捕まえにくる。その時に首にひっかけた荷物がじゃまになるもんじゃから、どっかに置いて、追いかけてくるから、その時にキツネと狸さん、それを持って、あの向うの大きな木の下のとこで待っとってくれ。すぐにわしが後からいくからな」「おーそりゃーえー、そうしょう」いうことになったんじゃな。そうしてウサギは、山からタッタッターと降りて、伝馬忍足が走っとる前をヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタ」と歩いたら「ありゃ、ケガをしとるウサギがおるぞ。あいつを捕まえて、今晩のごっつおうにしちゃろう」と思うて、伝馬人足がそのウサギを走っていって、フッと捕まえようとしたら、手の間から、ヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタンと逃げる。そうしてまた、ヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタン「どうも首の荷物がじゃまになるな」そばの木の枝に、ひっかけて、そうしてまた、走っていって、フッと抑えたかと思うたら、手の隙間から、ヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタンと逃げる。何回かそれを繰りかえしているうちに、キツネとタヌキとやってきてさっき木の枝にひっかけた荷物を持って向うの木の下にいっとったんじゃな。「もう大丈夫じゃろ」ウサギはヒョコタン、ヒョコタン、ヒョコタンと山の中に入って、そうしてみんなが待っている木の下に行ったんじゃ。「うまいぐあいにいったか」「ええぐあいにとれたぞ」「ほんなら何がはいっとるかみゅーか」風呂敷包を開けてみたら、中にむすびが5つ入っとる。「ありゃ、うまそうなおおきなむすびが5つはいっとる。それに手紙がはいっとる。こりゃあどうやって分けるかな。5つを三人で分けにゃーいかん。こりゃあ、むつかしいな」「いやいや、ここに手紙があるから、手紙に何か書いてあるから、読んでみよう」「いや、わしらー読めん」言うてキツネとタヌキが言うたところが、ウサギ「わしは読めるから読んでやろう」その手紙を開いて読んだんじゃな。「このむすびは、キツネにひとつ、タヌキにひとつ、残りはウサギ殿」と書いてあった。「ありゃあ、ほんならキツネさんひとつ、タヌキさんひとつ、わしが残りの3つをもらうからな」いうてウサギが全部食べてしもうたんじゃって、昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/06/21(金)
  • 担当者:中塚美佐子
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