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立石おじさんお話の世界24だんご婿

昔なあ、山奥の村の若い衆がな、里の村からお嫁さんをもろうたんじゃな。新客に行くことができなんだもんじゃから、婿さん、ひとりで嫁の里にお客に行ったんじゃ。そうしたら、嫁の里ではな、「娘の婿が来た、娘の婿が来た」いうとこで、ごっつお作ってもてなしてくれたんじゃ。その婿さんは、「いや、こりゃあ、うまいな、こりゃあ、うまいな」いうて食ようたけど、丸いもんが出た。食うてみたら、ほっぺたがおちるほど、旨い。「いやあ、こりゃあ、うまいなあ」「ばだ、なんぼうでもありますから食べてつかあさいよ」「ほんなら、おかわりを」おかわりをして食べたんじゃな。「いや、こりゃあ、うまいもんじゃけど、なにーいうもんな」「こりゃーだんごいうもんじゃ」「いや、だんごいうもんはうまいもんじゃ。はじめて食べました」「そうかな、それじゃったら、うちの娘は、このだんごを作るんが上手なから、帰ったら作って食べたらよろしいが」「そうかな、嫁はあ、そんない上手に作るかな」「うちの娘は、上手に作るから、帰ったら作ってもらって、食べてつかあさい」いうて話をして、帰ることになったそうな。「あの、丸いのはなんと言いましたかな」「だんごじゃ、だんごじゃ」「だんごな、忘れんように言うて帰らんといけんな」と思って、婿さんは、「だんご、だんご、だんご、だんご、だんごだんご、だんごだんご、だんごだんごだんごだんご、だんごだんごだんごだんご・・・・」だんごを唱えて帰りょうたんじゃな。そうしたら、途中に、溝があって、橋がかかってないもんじゃから、跳び越さなにゃーいけん。そこを「ひょいとこしょ」いうて跳んだ。ひょうしに、「だんご」を忘れて、「ひょいとこしょ」になってしもうて、「ひょいとこしょ、ひょいとこしょ、ひょいとこしょ、ひょいとしょ、ひょいとこしょ、ひょいとこしょ・・・・」「帰ったぞー」「やー、おかえりなさい」「お前の里に行ったら、ごっつぉーを作ってくれたぞー、一番うまかったのは、ひょいとこしょじゃ、あれを作ってくれ」「ひょいとこしょ?そんなのは聞いたことがない」「そんなことがあるもんか。うちの娘は、上手に作るいうて、おまえがそのひょいとこしょをつくるんが上手ないうておかあさんが言うておられたぞ」「ひょいとこしょやこー聞いたことがない」「そんなことがあるもんか、丸いひょいとこしょじゃ」「聞いたこともないし、見たこともない」「お前は、わしにひょいとこしょを食わすまー思うて知らんよんじゃな」言うたかと思ったら、その婿は、そばにあった火吹き竹を持って、嫁さんの頭を、バンとたたいたんじゃ。そうしたら嫁さんが「なにをすんなら、痛いがな、ありゃりゃあ、頭に大きなだんごのようなこぶができたがー」言うたら、婿さんが「そのだんごじゃ、だんごじゃ」言うたんじゃって、昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/04/22(月)
  • 担当者:中塚美佐子
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